発達障害の「プレコックス感」

ちょっと前にTwitterで書いていたのをまとめます。
ふと「いじめられる側にも何かの問題がある」という話で思い出したのが、広義の「プレコックス感」というものです。本来は統合失調症患者に医師が感じる独特の印象ということですが、定型発達者が特に自閉症スペクトラムの発達障害者に感じることのある「キモい」とか違和感に近いのかもしれません。

これが出ている発達障害者へのいじめは、大人や教師も正当化しやすい気がします。「どこか表情や身なりが整っていない」とか「言動が周囲に違和感を与える」とか、それこそ「周囲とのコミュニケーションの取り方が不自然」とか。発達障害者の印象をこういう言葉に置き換えてしまうと、「本人の(自分ではどうしようもない)特性」が「指導して直さないといけない欠点」となり、大人を含めたいじめの正当化(教育的義務感と言っていい)を大いに助長してしまうと言えそうです。
私は診断で知る前から「アスペルガーのプレコックス感」を出さないようかなり気をつけていたつもりなのですが、複数の発達障害当事者には「あなたは手帳持ちレベルですよね」と見抜かれるし、発達障害者の支援活動をされている方にも研修会の質問の口調だけでバレてしまいました。そこまで行かなくても、定型発達者にいろいろ警戒される(≒人として信用されない)ことは時々ありました。私のような発達障害者は思考の様式が独特かつ固定的なので、それを理解できない定型発達者からすると無意識のうちに出てしまう反応なのだと思います。
診断を受けてからは無理にプレコックス感を消そうとはせず、ここ3年くらい定型発達者エミュレータを切っているので、素の自分がかなり出ているのではないかと思います。この時期以降にお近づきになれた方には本当に感謝しています。どうすればいいか困るのは、それ以前から付き合いのある職場関係の上司とか、究極的には親兄弟や親類とかですが…